凡庸

週一くらいが目標です。

ミッドナイト清純父娘育児

娘は大分大きくなって、首も座り、寝返りもし、発育に何ら問題ない。問題ないどころか、ずいぶん早いくらいなのである。
そのことを自らの手柄のごとく誇らしげにしていたら、家内に「偉いのは親ではなく、娘であるから勘違いしないように。」と釘を刺された。全く以てその通り、偉いのは本人である、親はなくとも子は育つ、と相づちを打ったつもりが、またしても家内に「あなたは分からないかも知れないが、一日中付きっきりで世話をしている私がいなくてはこの子は育たない。」というようなことを言われた。全く以てその通り、偉いのは家内である、君はは感謝しなくてはいけない、と娘に言ってやると、家内は呆れた様子で夕飯の支度に取りかかった。

自分なりには、育児参加しているつもりである。帰宅し、家内の給仕で夕飯を食べ、浴槽を磨きお湯を張り娘を風呂に入れる。
風呂から出たら、交代で家内が風呂に入っている間に搾り置きしてある母乳を温め、哺乳瓶で娘に飲ます。娘はあっという間に飲み干してしまい、もっと寄越せと泣くが出ない乳は振れないので抱き抱えて部屋中をうろうろする。
そうしている間に家内が風呂から上がる。娘は家内の顔を見たとたんに、泣き止み機嫌がなおる。家内が髪を乾かし、その様子を娘がじろじろ見ている間に皿と哺乳瓶を洗う。
それが終わればそうなにもしていない。家内や娘と一緒にニコニコしているうちに寝かしつける時間になり、家内と娘は寝室へ入っていく。大体20時前に帰ってきて、23時過ぎくらいまでこんなことをしている。

こうして書いてみるとなかなかの働きぶりじゃないか、など自分では思うのだけれど、逆に言えばこのくらいしかできない。家内は乳をやったり真夜中に起きてしまう娘に付き合ったりしている。おまけに掃除や洗濯、食事の準備など大忙しだ。頭の下がる思いである。

こうまで手を掛けてやっている娘だが、いまのところ見返りとしては、彼女の「かわいさ」くらいしかない。いま完全に娘は「かわいいから」というだけの理由で、両親やその他親族の庇護のもと、何不自由なくすくすくと発育している。

幸せなやつめ。