凡庸

週一くらいが目標です。

うまくいかない世の中で胸のサイズは300点越えのハイスコア。

 都会に出かけた。家内のお兄さんが先日新たに家を建て、その新築祝いの品を見繕うためだ。見繕う、といっても初めからその目的のものは「高いハム」と決まっていた。理由をつけて外出がしたかったのだ。

 今日のお出掛けで、うちの娘はずいぶんおとなしいしすれ違うおばちゃまにも愛想がいいことがわかった。午前中から出かけて夕方暗くなってから帰ってきたのだけれども、その間一度もぐずることなくこちらの望むとおりにベビーカーにも乗ってくれたしあんよもしてくれたしご飯だってきちんと食べてくれた。それどころか、両親が「そろそろコーヒーでも飲みながら休憩したいなー」と思った頃にベビーカーの中で昼寝を始めた。1歳半に満たない幼児としては300点越えの記録的スコアである。

 

 僕はスーツが欲しい。なんか半年毎にスーツが欲しいと言ってる気がするが、欲しいものは欲しい。現在冬物スーツを2着で着まわしており、こんなこと続けていたらすぐに悪くなって仕事中に尻が裂けること必至だ。そうなる前にもう一着投入して心の平穏を図りたい。

 めでたく家内からのお許しも出ているので、今日も付き合ってもらって少し見たのだけれども、どこもかしこも「2着で○○円!」みたいなことばかり言っている。もちろん店側の意図はわかるのだけれども、2着もいらないのだ、こちらの意図もわかってほしい。さすがに4着ものスーツを着まわすのは贅沢である。

 かといって、葬式などの真面目用と結婚式などの華やか用のスーツはそれぞれ持っているのでこれ以上セミフォーマルなスーツはいらない。2着買うのは譲るとして、せめて1着は春夏用の裏地のないやつにしてくれればいいのに、今の時期は取り扱いはない。世の中うまくいかない。

 

 買い物ついでに結婚指輪を買った貴金属屋にも寄って、指輪を磨きに出した。店員さんに「つや消し加工とかじゃないですよね?」と言われていた僕の指輪もピッカピカである。やっぱりこうやって時々は磨いてもらわなくちゃいけない。なんだか夫婦らしいイベントでよかった。娘もおとなしくしていた。

 あとは新しいマグカップを買った。数か月前に家内が僕のマグカップを落として割ってしまって以来、とりあえず代用のマグカップで牛乳を飲みつつ運命の出会いを待っていたところ、今日、スターウォーズのプリントがされたマグカップを見つけたのでそれを買った。スターウォーズといえば、貴金属屋でも便乗して、純銀製のライトセイバー耳かきを売っていた。5万円くらいしたと思う。だれが買うんだと思いながら見ていたら家内に「いらないからね」と言われた。いらないよ。

 家内は新しい下着を買おうと、僕と娘を店の前に置いて下着屋に入っていった。置いていかれた僕らは、とりあえず娘にベビーカーから降りてもらい、それほど遠くへ行かないようにウロウロしながら遊んだ。ガラスの向こうのエスカレーターで降りていく人と目が合ったらしく、娘が手を振っていて、かわいいやつめと思って抱きしめたらうんち臭かった。困ったなあと思いながら家内を待った。下着屋から出てきた家内は落胆していて、理由を聞くと、授乳を経てブラジャーのサイズが大きくなってしまい具合のいい商品がなかったらしい。残念だったね、と同情をする風を装って内心では、ほほう、胸のサイズがね…とかそんなことを考えていた。

 

 夕飯も外で食べた。娘は僕のけんちんうどんの具と、家内の親子丼を分けてもらっててよく食べた。ほんとに、成長したなあ。近頃二人で遊んでいても、こちらの言葉がわかっている様子が多く、こちらも彼女の宇宙語がすこしずつわかることも多く、僕たちは仲良しだ。