凡庸

週一くらいが目標です。

麦茶を沸かして終わる。

 巷で言うところのワーク・ライフ・バランスはなかなかうまいこといっているほうで、時期にもよるが大体19時過ぎには家にいる。世のサラリーマンからすればふざけた所業であるが、そのへんはまあ、労働条件というやつだ。
 さて、ただいまー、と家に帰ると家内と娘が待っている。娘は腹を空かせているので、服を着替え手を洗い、娘に離乳食(といっても最近はすっかり大人のようなご飯を食べている)を40分くらいかけて食べさせてやる。
 ご飯を食べさせたあとは、娘を風呂に入れる。先に浴室に入り、自分の体を洗ってから娘を呼ぶと、家内が娘を抱いて連れてくる。二人がかりで服を脱がせオムツを外して、娘を受け取る。娘は風呂にはそれなりに機嫌よく入るし、頭を洗ってやるとその気持ちよさに寝落ちしかけることもしばしばだ。ただし顔を洗われるのがいやで、少し泣く。湯船につかると機嫌を戻す。娘が温まったところで家内を呼び、娘を引き渡す。自分の頭や顔を洗い、風呂を出る。
 風呂を出ると、娘はパジャマに着替えさせられて頭も乾かされている。では、と親の夕食になる、夕食は僕と娘が風呂に入っている間に家内が作ってくれる。これを家内と差し向かいになって食べる。娘は隣の部屋で遊んでいたり、僕たちのテーブルの下に潜り込んだり、時々泣いてかまってもらおうとする。親の夕飯が終わるのが21時過ぎごろだ。
 少し娘をかまったりして過ごす。そうしているうちに家内が風呂入る。家内が風呂に入っている間は、娘とかまったり、洗濯物を畳んだり、せっかく畳んだ洗濯ものを娘に散らかされたりして過ごす。
 家内が出てくる頃に、娘に牛乳を飲ませてやる。赤ちゃんようのマグカップに牛乳を注ぎ、電子レンジで20秒温める。そしてマグカップにストローをさして娘のところに行く。娘は牛乳が好きなので、僕が冷蔵庫を開けて牛乳パックを取り出すあたりから、目を離そうとしない。そしてついに牛乳と共にお父さんがやってくると、お父さんが座ったそのあぐらの上に座る。うしろから手をまわして、あぐらの上で娘に牛乳を飲ませてやる。この、僕のあぐらの上によじ登り、体の向きを変え、上手に座り、目の前に牛乳がやってくるのを待つ、その一連のしぐさがかわいい。
 髪を乾かした家内がやってくるのが22時半ごろ。そのころには娘も眠たいので、家内とバトンタッチして娘を寝かしつけてもらう。僕が寝室から出るときに娘は僕に向かって、ばいばい、と手を振る。
 家内が寝かしつけている間に、夕飯の洗いものをし、翌日の麦茶を沸かす。
 ここまで終わると、一日の僕のすべきことが終わる。