凡庸

週一くらいが目標です。

おむつをはきながら命がけのソロバン。

 この一週間、家内が「気持ち悪い、気持ち悪い…」と言ってはえずいていた。僕も家内もそのことを気にして、体調を心配しつつ、もしかしてつわりではと頭の片隅で考えていた。思い当たる節がないわけではないが、さすがにあれじゃないだろう…と思いつつ、いやでも「やればできる」というしなあ、とそわそわしていいるうちにいつものやつ(我が家では「おむつをはく」という隠語で表現される)がきて、ホッとした次第である。仕事中に家内からLINEで連絡があったあたり、いかに僕たちがやきもきしていたかというものである。

 さすがに今できていたら、家内が職場復帰してまたすぐに産休・育休にはいってしまうことになり、彼女のキャリア(というほどのものでもないけれど、やっぱり長く休むとそれだけ仕事の勘も鈍るだろうし、周りに対する申し訳なさがどうしても生まれてしまってやりづらいのだ、どうしても)のうえで仕事が続けにくくなってしまいかねない。だから明るい家族計画としては、まだ次の子は考えていない。

 だけれど、もし次の子ができたのなら、と思うと正直なところ少し楽しかった。もともと二人は欲しいと思っていたし、二人目不妊なんていう言葉も聞くし、このタイミングなら娘とも歳が近い。娘もずいぶん人間らしくなり、これなら次の新入りを迎えられる気もする。そして何より、父としてかなりレベルアップしたであろう僕としては、腕試しをしたい気もしているのだ(娘の寝かしつけの成功率は低いくせに)。

 結果として、次の子はもう少し先になりそうである。できれば男の子がいいなあ。

 

 あと、住宅展示場に行った。少し前から「家をどうするか」という問題が持ち上がっていて、ついに先日、夫婦二人の家族会議が設けられ、今年の目標を転居に向けて動き出すことと決まった。その第一弾として、とりあえず住宅展示場に出かけてみよう、ということになったのだ。

 右も左もわからない初心者二人(と人生の初心者一人)、とりあえずえいやっと某ハウスメーカーのモデルハウスに入った。親切な営業マンにいろいろ聞くうちに、いかに自分たちがものを知らず、いかに家を建てることを舐めていたかということだ。

 それまで僕たちは3000万から4000万くらいで土地と家がなんとかなると思っていた。というよりその金額すら命がけのそろばんのつもりだった。しかしそれだけではなんとか土地が用意できる程度で、空き地にゴザを敷いて暮らすのでなければ、5000万程度は必要らしい。5000万、ごせんまん…。

 その金額が現実的なものかどうか、これまでと同じように生きていてそんな金が用意できるのかどうか。家以外にも教育費用とかそういうものもいるが、その辺の折り合いはどうなっているのか。普段始末して細かいお金を扱っている家内も、そんなに大きなお金となると目がくらくらするようだった。

 ありがたいことに、その営業マンがファイナンシャルプランナーを紹介してくれるらしい。その人にまずは相談するところから始めましょう、ということになり、また次の週末に話を聞くことになった。

 僕らは初めて出会ったハウスメーカーの営業マンに、刷り込みされたヒナのようについて行こうとしている。ただほかに寄る辺がないのだ。とりあえずハンコは持たないように気を付けながら、人生の大きな買い物に巻き込まれようとしている。

 とりあえず帰りに「これから家を建てる人の本」みたいなのを一冊買った。life goes on、人生は進む。