凡庸

週一くらいが目標です。

凡庸の凡庸4

 こないだ週末、久しぶりにクラブに行った。職場の飲み会ではへらへらしてお利口にして、二次会にも誘われたけどへらへらして辞し、京阪出町柳行の電車に乗った。

 「クラブとか行くことあるんですよ」って言うのはなんか恥ずかしい。えーお前が?似合わねー!ってなると思うし。いや、クラブって色々あって、僕が行ってんのはあんま怖くないやつでね…って説明すんのもややこしいな。いいんだよ、僕はみんなに内緒でクラブとか行くんすよ。「とか」ってなんだ。

 三条で乗り換えて丸太町で降りるはずだったんだけど思ったより時間が早かったので、出町柳まで乗って飲み会の酔いを覚ましがてら少し散歩した。暖かい夜だった。

 京都は学生時代を過ごした場所で、あれはいい時間だったなと今でも思い出す。実際に歩いていたらその思いもひとしおだ。でも夜中に一人で歩いていると楽しかった思い出よりも、退屈と寂しさを持て余して夜な夜な自転車でうろついていたことを思い出した(学生は昼寝のし過ぎで夜寝られないのだ)。全く建設的でない青春だ。

 それと京都で過ごしたわりにろくに飲み屋を知らんなあ、と思ったけどそりゃそうだ、あの頃は金がなかったからリカマンで買い出しして誰かの家で飲んでたんだ。まだあんのかなあ、リカマン。海外の珍しいチーズやハムのコーナー眺めながら「いつかここのやつ買いあさって豪遊しようぜ」って言ってたなあ。そう言いながら99ショップでつまみを買ってばかりいた。

 飲み屋は知らないけど、昼飯を食べるところやコーヒーを飲めるところはちょこちょこ知ってる。それはたぶん、当時の彼女(今の家内)と日中にすることがないときには、ブラブラ出かけてスパゲッティやサンドイッチを食べながらコーヒーを飲むのがささやかな贅沢だったから。もうすでにランチですらない時間帯に、外は何か夕方みたいな黄色い光に満ちていたのを覚えている。

 

 そう、そんなことを考えながら、コンビニで買ったホットのお茶を飲みながら出町柳を適当に南下した。

 学生の頃にクラブに行っていたら通ってたんだろうか。結局お金なくてそんなに行ってなかったかもしれない。じっくり散歩したつもりだったけど、意外と早く着いてしまって、でもまあいいかと入った。まあまあ人も入っていた。ロッカーにお金入れたつもりがカギがかからずもう一度入れるハメになった。気が小さいのでお店の人にごちゃごちゃ言えないのだ。

 音楽のことはよくわかんないので、大きい音が鳴っていて楽しかった、みたいなアホなことしか言えないけれど、大きい音が鳴っていて楽しかった。フロア中で音は聞こえるんだからどこにいても一緒だろうに、盛り上がってるときには前に行きたくなるのってなんでしょうね。

 それから有名なDJの出番が終わってサーッと人が減ると、待ってましたとばかりに広くなったフロアで踊りだす人はええ楽しみ方やなあ、と思う。踊るって僕なんかは体をふらふらさせてるだけなんだけど、小さくふらふらするよりも大きくふらふらするほうが楽しい。不思議ですね。それから人がサーッと減った時間帯ってたぶん午前3時とかそんなんで、そっからまたさらに踊るの!?って単純にその体力に驚いたりした。

 ああ、音楽もだけど、色のついたライトとかミラーボールとかも、ふと我に返ると冗談みたいに思えて、また楽しい気分になる。

 一人で行って、深夜から朝までデカい音で音楽聞き続けながらふらふら踊ってるって、6時間とか7時間とかなんだけど、我ながら何でそんなことができるんだろうと思う。特に今回なんかも朝いつも通り起きて、仕事して、職場の飲み会に参加して、そっから朝の5時とかまでだ。本当に何でそんなことができるんだ、自分。

 始発電車から座って乗りたかったので、また出町柳まで歩いた。途中鴨川沿いの河川敷の道に降りて歩いた。この川もあの橋もこの道も僕のものだったんだけどなあと少し寂しくなった。

 めちゃくちゃタバコ臭かった。帰るとみんなまだ寝てたので風呂に入った。風呂に入ってる間に長女が起きてきて、僕の気配に気づいて脱衣所まで来てお風呂のドア越しにおはようと言いに来てくれた。一緒に朝ご飯を食べてると次女も起きてきたので3人で朝ご飯を食べた。家内が起きて来たら代わりに2時間ほど寝かせてもらった。

 まごうことなき日記だな。

 

 その日は昼から前の部署の後輩の結婚式に参列した。華やかで幸せそうで楽しい式だった。久しい人たちとも会って話せたのでよかった。

 こっちの二次会は行った。二日連続で夜遊びさせてもらって家内にはとても感謝している。ありがとう。