凡庸

週一くらいが目標です。

人は毎日歯を磨き、豚汁の味も記憶をすべりおりていく。

 電動歯ブラシを使い始めた。

 歯には自信がなく、怒られるからと歯医者へ行きたがらないまま、どうにも痛くなって歯医者に行くと、果たして怒られる、というのを人生で何度か繰り返している。一応、朝と寝る前にはきちんと歯磨きをしているつもりなのだけれども、歯医者にはいつも「歯茎が腫れている」だの「奥が磨けていない」だの言われた挙句に歯石を削られて口の中を血だらけにされる。

 できることなら丈夫な歯でありたいと思っている。最近気づいたのだけれども、現在の僕の人生の幸せのうちで、チャラチャラしたところでなんぞ美味いものを食うということが割と大きなウェイトを占めている。であれば、健康な歯を保たなければそうした食事もできなくなり、食べ物の良しあしが柔らかい/硬いになってしまいかねない。僕の幸せは歯にかかっている。

 そういうわけで、家内にお願いしてポケットドルツを購入した。電動歯ブラシの世界も結構難しく、何万円もするものから数千円で買えるものまで様々であり、その中で僕がポケットドルツを選んだのは、割と安価であったことと、これらな職場に持っていって昼食のあとに少し磨いたりする気にもなるだろうということだった。

 現在、リステリンでブクブクしたあとドルツで磨いている。心なしか歯の表面はツルツルになり白くなってきた気がする。ただし歯医者でしょっちゅう怒られる歯周ポケットだの奥歯の奥だのがどうなってるかは知らない。近々行ってみて磨きぶりを見てもらわなくてはいけない。

 

 それと、新年から日記を始めた。

 昨年の秋にばあさんを亡くした。年末年始に家内と娘と3人で実家に帰ったときに、じいさんからばあさんの日記を見せてもらった。だいたい毎日2,3行くらい、そうたいしたことは書いてなかった。だけれども、僕が大学に受かった日の日記や、僕の結婚式のあたりの日の日記だのは、こう、グッとくるものがあった。最後のほうはあまり何も書いていなかった。

 家内とよく、娘のどんどん大きくなることがさみしい、という話をする。もちろん大変に喜ばしいことなのだけれども、そのあまりのスピードに我々が忘れてしまうことも大いに違いない。娘がどうした、というのは覚えていても、そのとき僕らがどう思ったかはきっとすでにその多くを忘れてしまっているんだろう。それはさみしい。

 買ったのはB6サイズくらいの小さな手帳で、1ページに二日分書き込めるようになっている。小さいのでいろいろ書かなくてはいけないというプレッシャーが少なかろうと、そういうサイズにした。ばあさんにならって毎日少しだけでも書けたらいいと思った。

 ただ、書き始めてみると興が乗るもので、というか書いてみて気付いたのだけれども僕は日記に今日あったことをなるべく時系列順に並べたいらしく、休みの日に家内や娘と過ごしたことなんかは、そういうものを全部書いてしまうと、本来書きたかった自分の気持ちみたいなものを書くことができない。いまはまだ張り切ってたくさん書いているのだということにしておく。それか春ごろまでこまめに日記をつけて、かつ、紙面がたりないようだったらちょっと大きな日記を買おう。

 

1月○日

家内がセールに行ったので、娘と二人きり。○○公園で遊ぶ。少し峩が強くなった気がする。すべり台をひとりでできるようになった。途中つまづいた拍子に突き指をしたのか、右の小指が少し腫れた。慌ててあちこち電話をかけたが、平気な顔でお昼ご飯を食べ、昼寝もしたのでよかったことに…。そして夜の寝かしつけも成功、それも22時前に…。夕飯は豚汁。