凡庸

週一くらいが目標です。

夢の神戸はまだ遠く。

 先日、娘が2歳になった。ちょうど実家に行けるような都合もついたので、向こうで誕生日をした。僕の両親は大喜びで、父は「いまじいちゃんの頭の中は、やぶいりです」というメールを送ってきた。頭がやぶいり?ボケたってことか?と心配になったが、聞けば「藪入り」という落語があって、奉公から帰ってくる息子にアレを食わせてあそこに連れて行ってアレをさせてやって…と頭がいっぱいになることをいうとのことだった。

 その言葉通り、実家に着いてみればあれやこれやと世話をやいてくれ、娘と遊んでくれている間、僕ら夫婦はずいぶんのんびりとさせてもらった。娘もそう人見知りすることもなく、すぐにおじいちゃんとおばあちゃんに慣れていつも通りのおしゃべりを発揮していた。言うまでもなく我が両親ははしゃいでおり、これぞ三方三両得、win-win-winである。ただし母が「暑いからビニールプール買おっか!!」と言っているのを聞いたときはもうひと押しして新しい車でも買ってもらおうかと思った、今でも心のどこかで諦めていない。

 まあ、取り立ててどうということはない帰省だった。娘が1歳になったときほどのイベント感はなかった。でもああ喜んでもらえるとたまには連れて帰ってやらなくちゃな、と思う。墓参りもしなくちゃいけないし。(この「墓参りもしなくちゃいけないし」というマインド、実に大人になったなと思わされる。地元を離れた大人はやたらと墓参りをしたがるのだ。)

 あ、ひとつ思い出した。2泊3日の帰省の間の二晩、隣に住んでいる幼馴染と夜遅くまで開いているおもちゃ屋にミニ四駆のコースがあるので走らせにいったのだ、眠る妻子を置いて。スーパーアバンテをガンダムマーカーでペイントしてマッハダッシュモーターを積載した愛車は何度やってもバンクやらコーナーやらですっ飛んでいった。次回の規制ではリベンジしたい。にしても30にもなろうというのに真夜中までミニ四駆で遊んでくれる友達が僕にはいるのだ、うらやましいだろう。

 

 それからKOBEにあるアンパンマンミュージアムも行った。最近娘も遅起きのようで、家族三人そろって9時ごろにだらだらと起きだしてきたものだから、渋滞にどハマりしたせいで本来1時間もかからずに到着するはずのKOBEが遠い。長いことチャイルドシートに括りつけられていたせいか「アンパンマンいくのー」とご機嫌で車に乗っていた娘も、ここはひとつぐずっておかないと「○ちゃんはいいこだから」決めつけられて末永く自分の権利が侵害されかねない、と思ったのかどうかは知らないが「○ちゃんおりるのー!!」と渋滞する高速道路のど真ん中でぐずりだし、しまいには涙をボロボロ流して怒りだしたので、仕方ない、近くのICで降りて近くのホームセンターに寄った。娘の背中は汗でじっとり濡れていた、ごめんね。

 そうこうしているうちに昼になり、ほんとはアンパンマンミュージアムでランチをする予定だったのだけれど、予定変更、我が家のベストテン第一位であるびっくりドンキーで食事をすることになった。僕はチーズカリー心のベストテン第一位バーグディッシュを食べた。

 

 腹ごしらえをして機嫌が戻ったのか、それから到着までに少し時間がかかったけれどもう娘はぐずらなかった。なんとかハーバーランドの駐車場に車を入れ、ショッピングモールの中を歩きながらアンパンマンミュージアムに向かう。看板に「ミュージアムこっち」という案内とともにアンパンマンのイラストが添えてあるのでいちいち娘が「アンパンマン!」とテンションが高まっていく、いちいちはしゃぐ、お父さんたちはうれしい。  

 そしていよいよ建物が見えてきた。おおきなアンパンマンの顔も見えてきた。娘も「アンパンマン!!」とテンションはぶちあがっている。こっちかな、とチケット売り場へ向かいチケットを買う、1,500円×3人分。当然だが娘も1人カウントでチケット代を払うのだな(もし二人目が産まれたら6,000円…)。そんな両親の気分とは裏腹に、娘はチケットと一緒にアンパンマンの首からかけられる小さなカスタネットももらえてご満悦である。そして家内は偉いので、チラシについていたプレゼント券も忘れずに持ってきていてアンパンマンミニ手ぬぐい(非売品)ももらった、偉い。

 入口のところで家族写真を撮ってもらえるサービスがあった。これがタダか!4,500円払った甲斐があるな!と思ったら、あとでもらえたのは往年のプリクラサイズに収まった僕ら三人の写真だった。大きいサイズは1,000円らしい(でもあとになって買っておけばよかったかなとも思う、また今度だな)。

 

 さあ、ミュージアムだ。と思ったら中に大勢小さな子どもとその家族がいたせいか、内弁慶な娘は委縮してしまったらしくお母さんかお父さんと一緒じゃないと、キャラクターの模型に近づいていこうとしない。おい、ミュージアムに着くまでのはしゃぎっぷりはなんだったんだ、と思ったがよく考えたらまだそれほど色んなキャラクターを知っているわけではないからいまいちグッときていないのかも。

 でも色んな展示は気になるらしく、親の手を引いてあっちに行ったりこっちに行ったりし、いろんな仕掛けのボタンを押したり引いたりして、ときおりこちらを振り向いてはにやにやしている。

 そうやって一通り見て回ったころに、少し眠そうな顔をしていた。そうか、お昼寝もしなくちゃいけないんだ。でもあいにくベビーカーはない。仕方ないので一度ミュージアムを出て(再入場可)車に乗せてKOBEをだらだら走りながら昼寝をしてもらうことにした。娘がもう一度起きるころにはミュージアムも空くだろうし、そうしたら再トライだ。

(眠たいのでいったん終わるけどつづくかもしれないしつづかないかもしれない)