凡庸

週一くらいが目標です。

凡庸の凡庸2

 ようやく年賀状ができた。ポストに投函するのは大晦日だ。我ながら呆れるけれどもこれで30年生きてきたのだ、三つ子の魂とはいうが30じゃあ後に引けない。来年で30になる、僕も家内も。

 

 先日1万円くらい出してセーターを買った。いい歳をしてユニクロしか服を売る店をしらないのもよくないと思って流行りのセーターを買った。着心地や暖かさはとくに変わりはないけれど、何しろ「流行りのものを着ている」という安心感がいい。下手したら学生時代の服が未だにワードローブに入っている(しかもユニクロ)ほどなので、そういう服を着ていると何だか自分がダサい気がして落ち着かない。

 いや、落ち着かなくなってきた。ウルフルズが歌っていたように「ダサいカッコはしたくない 歳はとらないように」という気分なのかもしれない。若いころは流行りを気にするほうがカッコ悪いと思って、あえて裾がボロボロになったジーンズに雪駄を履いて、その上に変な帽子をかぶったりして粋がっていた。でもこの頃そういう粋がる余裕がなくなってきたのだと思う。なるべくちゃんと流行りを抑えて無難な格好をしたいと思うようになった。あんな変な格好をして粋がって大学やその周りの町をウロウロしていた僕を、今になって少しカッコいいと思う。

 そうは言っても、流行りの格好をしているという気分は安心感があって、休みの日のたびにそのセーターを着ている。

 

 話は変わるけれど、この頃娘と仲がいい。今は家内と娘の間に僕の布団が敷いてある状態で、明け方になると娘が寝ぼけて僕の布団に入ってくるので一緒に寝ている。先日、試しに「今日はお父さんと寝よっか」と聞いてみると「おとうしゃんとねる」というのでそのまま家内には寝室から出て行ってもらい、二人でコソコソと話をしながら娘にトントンをしていた。次第にふとトントンをし忘れている自分に気付いたり、お互いの返事が遠くなっていったりするうちに、どちらが先ともなく寝てしまっていた。朝になって家内の「寝た?」というLINEに気付いた。娘が生まれて初めてこんなに穏やかに寝かしつけが成功した。これは我が家にとって感動すべき出来事である。

 寝かしつけだけではなく、もちろんご飯もシルバニアファミリーもレゴも公園遊びもお父さんと娘は一緒にいっぱい楽しんでいる。確かに心行くまでTVゲームでもして過ごしたいと思わないこともないが、これも人の親になった喜びだと思って我慢したり妻子の寝静まった夜中にこっそりやっていたりしている。なんにせよ父娘仲はよい。

(娘が生まれてから、仕方ないのだけど家内に投げかける視線が減ってしまった。近頃は減ったことすら慣れてしまった気がする。ときどき家内の顔を見てこんな顔だったっけと思うのだ。これはよくないなあ……。)

 

 そういえばサンタクロースデビューも果たした。プレゼントを調達して12月24日の晩に枕元に設置する。それだけ、案外なんということもなかった。惜しむらくは家内に贈るクリスマスブーケもカードと一緒にダイニングテーブルに置いたのだけれど、置いている間に家内がトイレに起きてきてしまったことだ。これは失敗だった。

 クリスマスイブにピザとチキンとシチューとケーキで腹を満たしたので、僕も家内も腹にもたれて(娘は知らん)、翌日のクリスマスには沖縄料理屋でソーキソバやゴーヤチャンプルーを食べた。これはこれでよかったと思う。

 

 書くことが無くなったのでおわり。来年もどうぞよろしくお願いいたします。