凡庸

週一くらいが目標です。

爪を立てて、愛を込めて。

 結婚して生活しながら、結婚できる相手の条件っていろいろあるなって気付いて、まあ結婚してから気付くんかよって話なんですけど人生ってそういうもんですね。

 で、結婚できる相手の条件って、たとえばその人の食べ残しを引き受けて食べられるか、とかいろいろあるなって気付くことあって。あ、しかも食べ残しにもいろいろ種類があって、半分かじったハンバーガーくらいなら余裕だなとか、ソフトクリーム一緒に食べられるかとか、ポテチシェアすんのすら無理とかいろいろだと思うんですけど、ちなみに僕は家内が「もう無理」って言って残した海鮮丼を引き受けながら「これはけっこう愛だな」と思った覚えがあるんですが、なんの話だっけ。そう、結婚できる相手の条件。

 その、僕が家内が結婚してくれてよかったなと思ったのは、僕がお願いすると彼女はあまり抵抗なく背中をかいてくれるんですよね、僕の。背中をかいてもらいながら、「これってもしかすると人によっては嫌なのかもしれないな。それなのに僕の背中をかいてくれて家内はいいやつだな。結婚してよかったな」と思って、それを伝えたりするんですよね。

 

 そうすると家内も「うむ」っていう感じでかいてくれるんですが、しかも彼女はその背中をかくのが上手なわけですよ。背中をかくのが上手っつってパッと思いつくのは爪の具合とか強弱とかかもしれないんですが、まあそれも丁度いい具合なんですが、よく言う「かゆいところに手が届く」ってあるじゃないですか、それが家内の場合はもっとすごくて「かゆいところを気付かせる」って感じなんですよ。

 

 背中をかいてもらいながら、それがええ具合で「あぁ~」とか言いつつ「もうそのポイントはそのくらいかな」とか思っていると自然に家内の手が別のポイントに移動して、そこがドンピシャでかゆいポイントで、いや、「かゆいポイントで」とか言うとそっちをかいてほしいなと思ってたかのようですが、そうじゃなくって、自分で「そこか!」ってびっくりするくらいに「そこがかゆかったのか!」と思うくらいに気付かなかったしかいてもらうと気持ちいいポイントなんですよね。

 それで「あぁ!そこか!」とかちょっと大げさめに言うんですよ、「自分でも気づかなかった!なんでわかるの⁉」って。そうすると家内は「やろ?ここやろ?……ほんで次ここやろ?」「すげぇ!そこか~…あぁ~、そこかぁ~」「……ってやってるうちにここがかゆいねんな」「マジか⁉なんでわかんの、僕よりわかるじゃん⁉」とか言いながら背中をかいてもらうことがあります。愛やな、って思います。

 

 そういう感じで意外と人は自分の「かゆいところ」とか「楽しいポイント」っていうのを自分で気づくのは難しいのかもしれないですねって。

 今ちょうど自分の楽しいポイントを見失っていて、それなりに時間はありつつもなんか楽しくやれないんすよ。一応せっせとミニ四駆のパーツをつけたり外したりしてるんですけど、それも別に走らせたりできるわけじゃないから、カタルシスがないんですよね、ずーっと準備中みたいな。

 って書いてて気づいたんですけど、僕はカタルシスを求めているのかもしれない。要するに早くクラブに行ける状態になって、デカい音のするところで軽く酔っぱらいながらヒューゥとかいいながら踊りたいんですよ。

 あとちょっと自覚してるのは、家族と職場以外の人とコミュニケーションしたいってこと。幸せにやらせてもらってるんですが、もうちょっと外の風を入れたい……。

 

 (精神的に)俺の背中をかいてくれ、できれば愛を込めて。