凡庸

週一くらいが目標です。

シュークリームが足りない。

 家内の兄のところに新しく赤ちゃんが産まれたので家内の兄弟家族が実家に集まることになった。

 近所の洋菓子屋のシュークリームを手土産にしようとしたのだけれど店先にあるぶんのシュークリームでは足りなかったため、シュークリームは子どもたちだけにして大人には別の和菓子屋で団子を買って行った。一族が繁栄しすぎてシュークリームが足りない、めでたい。

 長女は従姉妹のお姉ちゃんたちに会えると喜んでいた。次女はよくわかっていない。

 

 僕たちの家族が一番乗りで、しばらくして義兄の家族がやってきた(すごく身内的な話だけれど、家内の実家に集まるときにはなぜか大体男性陣の体調が悪い。この日僕は風邪気味だったし、義兄はひどい二日酔いで、義姉の旦那さんも花粉症で辛そうだった)。生後2か月ちょっとくらいの赤ちゃんも奥さんの腕に抱かれてやってきた。その小ささ!頼りなさ!

 赤ちゃんを見た瞬間に、うちの次女が急に大きく見えた。我が家では赤ちゃん扱いをされて小さい小さいと言われている次女も、立派に二本の足で歩き「ぎゅうにゅう もっと ちょおらい」と言葉で牛乳のお替わりをしていると思えば、もう十分に赤ちゃんではない。お前...大きくなったな...。

 

 子どもたちは従姉妹同士で集まってキーキーキャーキャーやるわりに赤ちゃんはあまり気にしないようだった。とはいえ、やっぱりうるさい上に環境が変わるのでうたた寝もできず、だんだんと機嫌も悪くなってくる。

 おとなしくしているときに下手に手出しをして赤ちゃんの機嫌を損ねるのが怖いので、部外者としては多少機嫌が悪かったり泣いていたりするときのほうが抱っこしやすい。僕も抱っこをさせてもらったが、その軽さ!のわりにぐいぐいと動く生命力とエネルギー!そうそうこれこれ、これが赤ちゃんだよね、とメソメソしている顔を覗き込んでいたら親戚の誰かに「どっちが赤ちゃんかわからんようなフニャフニャの顔しとるな」と言われた。

 

 赤ちゃんはかわいいのだけれど、親戚の集まりにおいて大人チームの最年少であり上に社交性に乏しい僕は家内の実家でちょっと居心地が悪い。ので、子どもたちと近所の小さな公園に行った。

 長女のいとこたちは小学校低学年のお兄ちゃんお姉ちゃんだ。長女も名前を呼んでもらいながら遊具などで一緒に遊んでもらった。僕のいとこは歳も住むところもかなり離れた姉妹だったので、いとこと遊んだ経験はない。ちょっと年上のお姉ちゃんお兄ちゃんってうれしいんだろうな。

 産まれたばかりの頃は何もわからずにほっぺをつつき回されてたのがついこないだ、それからちょっと大きくなってもごまめにもなれず、それでもいとこがはしゃいでいるとなんだかうれしくてキャーキャーとウロウロしていたのが昨日のことのようだというのに、気付けば一丁前のような顔をして一緒に公園で遊んでもらっている。長女も大きくなってるなあ。

 途中、だるまさんが転んだをしたのだけれど、あれって鬼にタッチした後ってどうするんでしたっけ。この日はそのまま鬼ごっこみたいになってました。子どもたちの様子を見ていると、だるまさんが転んだはどうやら鬼のほうが楽しいらしい。

 それからいとこたちは小学生なので、帰りにはパーッと家のほうまで走っていった。たしかに走って1分もかからないとはいえ、ちょっと冷や冷やした。まあ小学生なんだから子どもたちだけで公園行って遊ぶんだからこれが普通といえば普通なんだろう、親と行くような歳じゃない。とはいえ、うちの子もあと数年でああやって子どもたちだけで公園に行って遊ぶんだろうか。その時に僕は過度に心配してしまいやしないか。あんまり自信がない。

 

 そのあとお寿司を食べさせてもらい、子どもたちがごねるのを担いでそれぞれの家に帰りました。GWの10連休を乗り切るために、互いの家に子どもを連れていく約束もできたし。これは助かる。

 意外と長女は帰りの車の中でも寝落ちせず、がんばって家に着くまで起きていた。次女はぐっすり寝てしまったのでそのまま布団に移した。

春風、いつのまにやら届く(それも一方的に)

 なんだか春めいてきたので、ふと手紙を書きたくなりました。でも誰にも出すあてがないので、これは手紙ということにしてブログを書きます。

 

 4月になり、すっかり春です。うそです。「すっかり」という部分がうそです。春の気配は感じるものの、まだ風は冷たいしこちらは桜も咲ききっていないので「すっかり」という気はしません。こないだなんかも、変に強い冷たい雨が降りました。春の嵐だと思えば春らしいのかもしれません。

 週末にはきっと桜も満開になると思いますし、気温も暖かくなるそうなので「すっかり」春だなあと思えるのかもしれません。天気予報によると晴れるそうなので、家族で少し遠くの公園にでも行ってお花見をしようと思います。そういえば週末には選挙もあります。平成最後の「投票行って外食するんだ」チャンスなので、家族で選挙に行って、公園で花見をし、それからなぜか外食しようと思います。ピース。

 

 子どもたちも元気です、すくすくと育っています。長女はひらがなの書き取りを一生懸命やっていて、たくさんお手紙をくれます。こないだも僕あてに「ずっとだいすきだよ」と書かれた手紙を見せてくれて、ベタなんですが、ジーンときました。ずっとだいすきでいてほしいと思います、心から。

 それから次女を抱き上げたくて「次女ちゃん、だっこしてあげるよ」と話しかけるのですが五回に四回は「いやー」と拒否されて、恨みがましいようながっかりしたような顔で僕のほうを見てきます。あまり妹に強気に出ることのないお姉ちゃんです。

 次女は何かわけのわからないことを色々言っています。最近では「あのしゃぁ~?」と話しかけてきます。「どうしたの?」と返事をすると、やっぱり「あのしゃぁ~?」とニヤニヤしながら何度も繰り返すので、特に用事はないようです。それからなぜか語尾を「~だから」にして何か言ってますが、これも特に何か理由を説明しているわけではありません。

 先ほど「わけのわからないこと」と書きましたが、ちょっとうそです。二つ目のうそです。実はけっこう言葉のやり取りができます。「ぎゅうにゅう、もっとちょおらい」とおかわりを要求したりできます。こないだは、長女と僕とでテレビのリモコンを探してもどうしても見つからず、ダメもとで「次女ちゃん、テレビのリモコンどこにあるか知らない?」と聞いてみたら「あしょこ」と書類棚の上のほうを指すので「そんなわけないでしょ」と思いつつも見てみたらリモコンがありました(前日、長女がテレビばっかり見てお母さんの言うことを聞かずに取り上げられたそうです。長女はそのことを忘れていました)。

 ふたりとも保育園を進級しましたが、環境はさほど変わらず平常運転だそうです。

 思えば昨年の春は、新居に引っ越したり、次女が保育園に入園したり、家内が育休から職場復帰したり、僕の異動があったりと心機一転する要素がたくさんあったのですが、今年はほとんど変化のない穏やかな春です。

 

 僕は先日、味園ユニバースのライブに行ってきました。tofubeatsとSTUTSとスカートとbimを見に行きました。シークレットでvavaやSIRUPも出てきてとても得しました。tofubeatsはつい先週くらいにDJを見たばかりでしたがやっぱり楽しくてひゅーとかひゃーとか言いながら踊りました。STUTSはMPCの生演奏があんなにも迫力があるのかとびっくりしましたし、スカートはピースフルな歌声とルックスながらも密な演奏技術にしっかりとノれました。bimとvavaには「イケてる人たちや~有名人や~youtubeで聴いたやつや~」とミーハーにはしゃいでました。とても楽しい夜でした。3月は外で遊んでばかりでしたが、文句も言わずに送り出してくれた家内に心から感謝しています。

 

 そういえば新しい元号が発表されましたね。我が家では新元号以上に、手話通訳をしていた男の人が僕に激似だったことのほうが大きなニュースでした。弟にそのことについて連絡すると、その報道の前後で元号について解説していた男の人が弟に激似だったことを写真付きで教えてくれました。新しい時代は僕らの時代になりそうです。

 

 手紙は読むのもいいですが、書いて一方的に送り付けるのもいいもんですよ。それではお元気で。よい春を。

 

今週のお題「桜」

凡庸の凡庸4

 こないだ週末、久しぶりにクラブに行った。職場の飲み会ではへらへらしてお利口にして、二次会にも誘われたけどへらへらして辞し、京阪出町柳行の電車に乗った。

 「クラブとか行くことあるんですよ」って言うのはなんか恥ずかしい。えーお前が?似合わねー!ってなると思うし。いや、クラブって色々あって、僕が行ってんのはあんま怖くないやつでね…って説明すんのもややこしいな。いいんだよ、僕はみんなに内緒でクラブとか行くんすよ。「とか」ってなんだ。

 三条で乗り換えて丸太町で降りるはずだったんだけど思ったより時間が早かったので、出町柳まで乗って飲み会の酔いを覚ましがてら少し散歩した。暖かい夜だった。

 京都は学生時代を過ごした場所で、あれはいい時間だったなと今でも思い出す。実際に歩いていたらその思いもひとしおだ。でも夜中に一人で歩いていると楽しかった思い出よりも、退屈と寂しさを持て余して夜な夜な自転車でうろついていたことを思い出した(学生は昼寝のし過ぎで夜寝られないのだ)。全く建設的でない青春だ。

 それと京都で過ごしたわりにろくに飲み屋を知らんなあ、と思ったけどそりゃそうだ、あの頃は金がなかったからリカマンで買い出しして誰かの家で飲んでたんだ。まだあんのかなあ、リカマン。海外の珍しいチーズやハムのコーナー眺めながら「いつかここのやつ買いあさって豪遊しようぜ」って言ってたなあ。そう言いながら99ショップでつまみを買ってばかりいた。

 飲み屋は知らないけど、昼飯を食べるところやコーヒーを飲めるところはちょこちょこ知ってる。それはたぶん、当時の彼女(今の家内)と日中にすることがないときには、ブラブラ出かけてスパゲッティやサンドイッチを食べながらコーヒーを飲むのがささやかな贅沢だったから。もうすでにランチですらない時間帯に、外は何か夕方みたいな黄色い光に満ちていたのを覚えている。

 

 そう、そんなことを考えながら、コンビニで買ったホットのお茶を飲みながら出町柳を適当に南下した。

 学生の頃にクラブに行っていたら通ってたんだろうか。結局お金なくてそんなに行ってなかったかもしれない。じっくり散歩したつもりだったけど、意外と早く着いてしまって、でもまあいいかと入った。まあまあ人も入っていた。ロッカーにお金入れたつもりがカギがかからずもう一度入れるハメになった。気が小さいのでお店の人にごちゃごちゃ言えないのだ。

 音楽のことはよくわかんないので、大きい音が鳴っていて楽しかった、みたいなアホなことしか言えないけれど、大きい音が鳴っていて楽しかった。フロア中で音は聞こえるんだからどこにいても一緒だろうに、盛り上がってるときには前に行きたくなるのってなんでしょうね。

 それから有名なDJの出番が終わってサーッと人が減ると、待ってましたとばかりに広くなったフロアで踊りだす人はええ楽しみ方やなあ、と思う。踊るって僕なんかは体をふらふらさせてるだけなんだけど、小さくふらふらするよりも大きくふらふらするほうが楽しい。不思議ですね。それから人がサーッと減った時間帯ってたぶん午前3時とかそんなんで、そっからまたさらに踊るの!?って単純にその体力に驚いたりした。

 ああ、音楽もだけど、色のついたライトとかミラーボールとかも、ふと我に返ると冗談みたいに思えて、また楽しい気分になる。

 一人で行って、深夜から朝までデカい音で音楽聞き続けながらふらふら踊ってるって、6時間とか7時間とかなんだけど、我ながら何でそんなことができるんだろうと思う。特に今回なんかも朝いつも通り起きて、仕事して、職場の飲み会に参加して、そっから朝の5時とかまでだ。本当に何でそんなことができるんだ、自分。

 始発電車から座って乗りたかったので、また出町柳まで歩いた。途中鴨川沿いの河川敷の道に降りて歩いた。この川もあの橋もこの道も僕のものだったんだけどなあと少し寂しくなった。

 めちゃくちゃタバコ臭かった。帰るとみんなまだ寝てたので風呂に入った。風呂に入ってる間に長女が起きてきて、僕の気配に気づいて脱衣所まで来てお風呂のドア越しにおはようと言いに来てくれた。一緒に朝ご飯を食べてると次女も起きてきたので3人で朝ご飯を食べた。家内が起きて来たら代わりに2時間ほど寝かせてもらった。

 まごうことなき日記だな。

 

 その日は昼から前の部署の後輩の結婚式に参列した。華やかで幸せそうで楽しい式だった。久しい人たちとも会って話せたのでよかった。

 こっちの二次会は行った。二日連続で夜遊びさせてもらって家内にはとても感謝している。ありがとう。