凡庸

週一くらいが目標です。

どんどん遠くへ行くために、行っちゃう前に

 先日の家族旅行が本当に楽しかった。

 

 夫婦生活が10周年を迎え、ということは家族が発足して10周年なので10年前の時点では産まれていなかった子どもたちにとってもアニバーサリーなイヤーだ。

 10周年がまだ先の頃は「ふたりで台湾なんてどう?」なんて言っていたけれど、その間にコロナがあって気楽な旅行からは遠ざかっていた。帰省を除けば泊りの家族旅行だってろくに行っていない。

 なのでとりあえず手始めにと伊勢志摩旅行を計画することにした。近頃志摩スペイン村が話題になっていることだし、距離も手ごろで子どもたちも楽しめそうな観光施設も多い。そういうわけで世間は年度末の忙しい時期にみんなで休みを取って2泊3日の旅行に出かけた。

 

 旅行の間、スマホでバシャバシャと写真をとりつつ、逐次レポートもポチポチ記録していた。伊勢うどんをまっているときの札の番号まで記録している(92番)。

 なので記録としては十分満足したところがあるので、ここにはざっくりとした感想を残しておきたい。

 

 子どもたちが寝ている帰りの車で妻が言っていたことにその通りだよなと思った。

 今回の旅行では、長女が自分のお財布からお土産を買うお金を出したり、バイキングもひとりで取って戻って来たり、果てはSAでいつの間にかアンケートを記入していて「ちょっと行ってくるわ」と言って一人でふらっとサービスカウンターに用紙を持って行き粗品をもらっていたりと、旅行中にぐんと成長した気がする。

 長女はすこぶる慎重なやつで、それは僕たちが多少過保護に育てたせいもあるかもしれないけれど、ほんのちょっとしたことでも「○○していい?」と許可をとってから行動することがあった(家にある小包装のチョコレートですら「これ食べていい?」と聞くのだ、平らげたご飯茶碗にひとりでひょいひょいとお替わりを盛り付けて席に戻ってくる次女とは大違いである)。

 それが今回の旅行では何かと「ちょっとやってみる」と言って色んなことを自分でやっていた。

 長女は鳥羽水族館で自分のお土産にイルカのぬいぐるみを買った。本当はお土産コーナーも「欲しいもの決まってるから一人で行く」と言っていたが、過保護な父はレジの前でお金が足りなかったり何かトラブルがあったりしてはいけないと後ろからついていった。

 でも長女はそんな父を顧みることもなく、すいすいと目当てのぬいぐるみを手にとってレジに並び、「おねがいします」と品物をレジに差し出し、言われたとおりの金額を支払い、「ありがとうございます」とお釣りと品物を受け取っていた。

 そうか、そんなことができるようになったんだね。できるようになっちゃったか。

 子どもの成長はうれしいし、寂しいし、うれしい。

 

 次女は写真に写るときに変なポーズをしたり、内宮のニワトリの鳴き声の真似をものすごく上手にやったり、スプラッシュコースターで少し半べそをかいたり、セイウチの投げキッスにゲラゲラ笑ったり、バイキングのオレンジを何度もお替りして結局丸一個分くらい食べたりしていた。こっちは大体いつも通りだったけど、やっぱり楽しそうだった。

 

 それから、志摩スペイン村に行ったら何よりまず、子どもたちにキャラクターのカチューシャを買ってやった。

 「買ってやった」なんていうと偉そうだ。本当は僕がつけてほしくて買ったのだ。一日中そのキャラクターのカチューシャをつけて、ときどき姉妹で交換して、そうやって楽しそうにはしゃぎまわる姿をみるのはつくづく幸福だった。いっぱい写真も撮った。

 その、キャラクターのカチューシャを買った、というのが、なんというか僕自身がうれしかった。

 

 あとは妻と二人で撮った写真もけっこうあるのもいい。

 インカメラで自撮りしたり、「二人で撮ってよ」と子どもにシャッターをお願いしたりして、あえて子どもに入ってもらわずに二人で何枚か写真を撮った。照れずにこういうことができる関係でいられたらいい。仲良くしような。

 

 旅行は本当に楽しかった。おいしいものもいっぱい食べられた。ちょうど今の自分たちの家族が、まだ子どもが子どもらしく、元気に活発に楽しんでくれる年齢なんだろう。いまのうちにいっぱい遊んでもらおうと思う。

 

 ネットで写真プリントを注文している。到着したらアルバムを作りたい。